あなたのお店はどれが対象?風俗営業許可6種類と改正した風営法について

あなたのお店はどれが対象?風俗営業許可6種類と改正した風営法について

「自分の店は風俗営業許可が必要っぽいけどよく分からない」
「そもそも営業許可を取る必要があるの?」
「自分の解釈が合っているかどうか不安・・・」

というように、お店を開業する人にとって悩みや不安が尽きない営業許可。

じつは風俗営業許可には6種類あり、それぞれお店の業態によって申請すべき許可が違ってきます。

ということで今回は、開業する上で必要な営業許可について徹底解説していきます!

あなたのお店にはどの営業許可が必要なのか、例をあげて取り上げていますので、ぜひご覧ください。

目次

風俗営業についての誤解

風俗営業についての誤解

まず大前提として、風俗営業とは以下の2種類に分類されます。

  1. 接待飲食等営業 (キャバクラやホストクラブなど)
  2. 性風俗関連特殊営業 (性風俗店など)

よく「風俗」という名前から誤解されがちですが、一般に性風俗店などは「2. 性風俗関連特殊営業」に当てはまるため別物です。

この記事では、飲食店やパチンコ店等に当てはまる「1. 接待飲食等営業」について解説してまいります。

6種類ある風俗営業許可

6種類ある風俗営業許可

ここから「風俗営業許可」について解説していきますが、ぜんぶで6種類あり、お店の業態によって取得すべき営業許可が違います。

それぞれ具体例をあげて取り上げていくので、ぜひ参考にしてみてください!

また平成28年6月23日より風営法が改正されており、この日以降に開業をする方は過去の法律を参照しないように注意です。

以下の表は、法改正後の最新バージョンを反映しております(2022年3月現在)

6種類の風俗営業許可

風俗営業の種類概要当てはまるお店 (例)
1号営業客に「接待」を行い、遊興又は飲食をさせる営業ホストクラブ
キャバクラ
料亭
特定遊興飲食店営業客に遊興(ダンスやショーなど)をさせ、かつ、客に飲食(酒含む)をさせる営業ナイトクラブ
ライブハウス
スポーツバー
2号営業照度が10ルクス以下で、客に飲食をさせる営業暗い照明のバー
喫茶店
3号営業客席の広さが5㎡以下かつ、他から見通すことが困難な状態で客に飲食をさせる営業個室居酒屋
ネットカフェ
4号営業客に射幸心をそそるおそれのある遊技をさせる営業パチンコ店
マージャン屋
5号営業スロットやテレビゲームなどを設けて、客に遊戯させる営業ゲームセンター
ダーツバー

「いろいろな種類があるのは分かったけど、概要に書いてあることがよく分からん!」といった疑問を持つ方もいると思います。

法律特有の変な言い回しが多くあるので、ここからは風俗営業の種類ごとの特徴や注意点についてみていきましょう!

1号営業について

1号営業について

1号営業で注目すべき点は、飲食店かつ「接待」が発生するかどうかです。

ここでいう接待を風営法の条文で書くと「接待を伴う飲食店」という定義になります。

たとえば、

  • 特定の客席に付いて談笑したりお酌をしたりする
  • 身体を密着させたりといった接触行為
  • 特定少数の客とゲームやカラオケを行う

といったようなものが「接待」に当てはまります。

もしあなたが開こうと思っているお店が当てはまるのであれば、1号営業許可を申請する必要があります。

▼飲食店開業の手続きの流れや注意点について、流れに沿って解説しているこちらの記事をご参考ください。

またここで疑問に思うことが、「接待ってどこまでが接待なの?」ということです。

反例を挙げると、カウンター内から会話をしたりお酌をしたりすることは「接待」に当てはまりません。

これを聞いて勘の良い方は感じるかもしれませんが、かなり曖昧でぼやけている部分です。

それと同時に非常にシビアな部分となってくるため、不安な方は接待について徹底解説した以下の記事をご覧ください。

[ここに接待解説記事を挿入]

▼ 1号営業許可が必要な店の例
キャバクラ、パブ、スナック、キャバレー、ホストクラブ、ラウンジなど

「接待」は曖昧さが多い部分のため、不安な方は行政書士などの専門家に聞いてみることをおすすめします。

特定遊興飲食店営業について

特定遊興飲食店営業について

「特定遊興飲食店営業」に当てはまるお店は以下のようなものを指します。

深夜0時以降、客に遊興(ダンスなど)をさせ、飲食や酒類の提供を行う場合

ここで注目すべき点は「遊興」という言葉です。

この遊興とは、「営業者側の積極的な行為によって客に遊び興じさせる行為」と表現されています。

どういったものが当てはまるかというと、

  • バンド演奏などの音楽ライブ
  • DJイベント
  • 落語
  • トークショーやお笑い

などが挙げられます。

深夜0時以降にお酒を提供しつつ、遊興を行う場合には特定遊興飲食店営業の許可を取得しましょう。

ほかにも許可の取得に向けて、客室の床面積や照明の制限、営業所が許可地域にあることが必須といった条件をクリアする必要があります。

2号営業について

2号営業について

2号営業は接待を行わない、照明が暗めの飲食店が当てはまります。

ここでは「低照度飲食店」と称されており、間接照明しかないような店内が暗めのオーセンティックバーや居酒屋などが対象です。

また1号営業とは違い、接待を行うとはできないため注意しましょう。

10ルクス以下の照明の明るさが、低照度と定義されます。

3号営業について

3号営業について

3号営業は接待を行わず、客席からほかの客席が見えないよう仕切られている飲食店が対象です。

これらは「区画席飲食店」と称され、別の客室を見ることが難しいような内部構造のお店に必要な営業許可となります。

具体的にはネットカフェや個室居酒屋などが当てはまります。

4号営業について

4号営業について

4号営業はパチンコやマージャンなど、客が射幸心をそそるおそれのあるお店が対象です。

この「射幸心をそそるおそれ」とは、賭け事のように運で一発利益を得たい!というような感情を指します。

また4号営業許可を申請するならば、以下のような制限にも注意が必要です。

  • 客室の出入り口は施錠しない
  • 性的なものを連想させる広告物や装飾などは展示しない
  • 店内の照度は10ルクス以下にしない
  • 規定数値以上の騒音または振動をたてない
  • 客室内部の見通しを悪くするものは置かない

これらに加えて、営業時間は午前10時〜午後11時までといった制限も存在します。

5号営業について

5号営業について

5号営業はゲームセンターやダーツバーが対象となります。

よく4号営業と混合されがちですが、景品を提供しているかどうかが明確な違いです。

景品を提供しないかつ、客に遊戯させるようなお店は5号営業となります。

ちなみに、ホテルやスーパーの一角にあるようなゲームコーナーは対象ではありません。

その理由は、三方が壁で囲まれておらずゲームコーナーが全体面積の10%以下であれば問題なしです。

そのため、「喫茶店の一角にダーツマシンを1台置きたい」といった場合、占有している面積が全体の10%未満であれば5号営業を申請する必要はありません。

クレーンゲームなど、800円以下の景品であれば5号営業に当てはまります。

まとめ

6種類の風俗営業許可について解説し、どのようなお店が対象になるかなどを紹介いたしました。

とくに1号営業については「接待」について気をつけねばなりません。

もしあなたがキャバクラやホスト、居酒屋といった飲食店を開業しようと考えているのであれば、本当に大丈夫かどうかや解釈は問題ないかなどの確認は取るようにしましょう。

法令違反となってしまうまえに、開業前の段階から行政書士などの専門家に相談してみるとよいでしょう。

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この記事を監修した人

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